2011年1月4日火曜日

議会に届け二宮のママの声、公園作りで要望まとめる 湘南

二宮町では異例の光景だった。
昨年12月16日、町議会の委員会室。傍聴席には、
幼い子どもたちを抱いた母親ら20人近くが座り、
議論を見守っていました。
「今の子育ては日常的に関わってくれる大人が圧倒的に
少ない。父親は朝が早く帰りは遅い。母親は孤独な育児に
なりがち。その意味でもお年寄りも集まって交流し合える
公園にしてほしい」。初めての陳情。時間を気に掛け、
やや早口で町議らに訴えたのは櫛田佳代さん(34)でした。
長男を出産した2006年、二宮町に越してきました。
インターネットで独自のサイトを立ち上げて、
情報を共有する母親仲間を増やしてきました。
現在約140人が登録しています。中でも中核となるのが
7人ほどのメンバーで、08年11月から「風通しのよい
子育て環境をつくろう」と、無料情報誌「ヴェント」を
1万部発行してきました。
櫛田さんは次男も出産。フリーライター時代の経験を生かし
町内の公園の遊具老朽化や児童虐待、近隣病院の
看護態勢などをテーマに取材してきました。
子育てにまつわる町の課題を探っていくうち、大規模な
「風致公園」が新設される計画を知りました。
人口3万弱の二宮には子どもが一日遊べる大きな公園がなく、
一時保育の受け皿も整っていない。昨年秋、公園づくりに
子育て世代の声を伝えようとネットなどを通じて座談会の
開催を呼び掛けました。30人余りが集まった会では、
さまざまな要望が飛び出しました。中でもオムツの乳児も遊べる
水遊び場と、駐車場の無料時間の延長を求める声が多かった。
育児をこなしつつ、陳情書を作成するなど寝る間を惜しんで
準備してきました。
そして迎えた12月議会。1時間半にわたる審議の結果は
しかし、望んだ通りにはなりませんでした。訴えには理解を
示すものの、全面的には受け入れられないという
「趣旨採択」が町議の多数を占めました。水遊び場は
安全管理面、子育て世代の駐車場無料延長は目的外利用の
おそれがあるなどが主な理由だそうです。
伝わらない思い。櫛田さんは悔しくて涙をこぼしました。
ただ町や議会も冷たく突き放したわけではない。
慎重な態度を通した坂本孝也町長でさえ、同委員会などで
「若いお母さんたちがどんどんアイデアを出してくれるのは
うれしい。これまで二宮にはなかった動きだ。
これが終わりではなく、始まりにしてほしい」と歓迎しました。
徒労感を味わいました。行政や議会の壁の高さを痛感しました。
しかし櫛田さんたちは提言をやめるつもりはないそうです。
「めちゃくちゃ楽しい子育て」がより楽しく、子どもたちが
すくすくと元気に成長していける町にしていきたい。
そうした願いが母たちを突き動かしているようです。

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