2011年2月25日金曜日

FXの「証拠金」、なぜ必要なの?

書店に足を運ぶと「FX」に関する本が並んでいますが、
「そもそもどういった金融商品なの?」と疑問に
感じている人も多いかもしれません。FXとは
「Foreign Exchange」を略した言葉で「外貨の交換」を
指していますが、日本語では「外国為替証拠金取引」と
いう言葉が使われています。
「外国為替」は読んで字のごとくですが、「証拠金」と
はいったい何を意味するのでしょうか。取引に必要な
資金なのだろうと想像はできますが……。今回は、
この「証拠金」の仕組みに焦点をあて、
解説していきたいと思います。
・証拠金とレバレッジ
FXの成り立ちを知っている、という人は少ないかもしれません。
今から13年前の1998年、「外国為替及び外国貿易法」が
改正され、FXが初めて個人投資家にも解禁されました。
それまではプロの世界だけでやりとりされていましたが、
それを個人投資家にも対応するために、さまざまな工夫が
なされました。
1つめは、個人投資家が少額でも取引できるように、
取引単位を引き下げました。通常、プロの取引は
100万通貨単位で行われます。これは米ドル/円の場合なら
100万ドルということですから、日本円にして約8300万円
(1ドル=83円)の資金が必要。相当なお金持ちなら
取引できるでしょうが、個人はできません。そのため、
FX会社では1000通貨単位や1万通貨単位で取引できるように
しました(FX会社によって異なります)。
例えば米ドル/円を1万通貨なら約83万円の資金で
取引できるようにしました。ぐっと身近な金額には
なりましたが、1万通貨以上の取引をしたい場合や、
複数の通貨ペアに分散投資したいならもっと資金が必要です。
そもそも、各通貨のレートは1日でそれほど大きく
変動しません。米ドルの1日のレート変動幅は、特別な要因が
ない限りせいぜい数十銭~数円程度です
(変動率は高くても1%ほど)。
積極的に収益を狙っていくのであれば、ある程度の取引数量が
必要になってきます。
そこでもう1つ考え出されたのが、持てる資金を元手
(=証拠金)に、その数倍~数十倍の取引を行うことが
できるようにした「レバレッジ」の仕組み。レバレッジとは、
英語で「てこの原理」を意味するLeverageから来た言葉ですが、
この「てこ」を使って、手持ちの資金より大きな金額を動かす
仕組みを投資の用語でレバレッジと言います。
例えば、さきほど米ドル/円を1万通貨取引するには、
約83万円の資金が必要と書きましたが、仮に5倍のレバレッジを
利用した場合、おなじ資金額で5万通貨分の取引が可能に
なります。もしも1ドル=83円のときに買い、84円に
なったときに売ったとすると、1万通貨なら、84万円-83万円で
1万円が利益に。5倍のレバレッジを利用して5万通貨分取引を
した場合は、同じ資金額で5万円の利益を受け取ることになります。
このように、FXでは元手=証拠金に「レバレッジ」をかけることで、
資金効率を高めることができるのです。
・レバレッジは諸刃の剣
先ほどのレバレッジ5倍の例で、利益も5倍になるという説明を
しましたが、逆に為替が予想と違った方向に動けば損失も5倍に
なります。レバレッジは大変便利なツールですが、特にこれから
FXを始めようと考えている人は、最初は低めのレバレッジで、
小さな取引単位から始める方がいいですね。いきなり全資金を
投入して最大レバレッジをかけた一発勝負のような取引をすれば、
あっという間に資金が尽きるかもしれません(さすがに、
そんな人は少ないと思いますが……)。
FXの取引は、継続的に取引することで利益を積み上げていくもの
ですから、くれぐれも証拠金に対して余裕を持った取引を
続けていただきたいと思います。レバレッジを利用した取引に
慣れるまでは、FX会社が提供しているデモ口座を利用されるのも
いいかもしれません。本口座同様のレートを使った仮想資金での
取引を、無料で体験できる会社もありますので、
活用しない手はないですよね。
なお、利用できるレバレッジはFX会社によって異なりますが、
2010年8月の法改正により、国内の個人投資家向けのレバレッジの
上限は50倍となり、今年の8月からは25倍まで引き下げられます。
<今日のFX用語>
証拠金:FX取引に必要な資金、元手のこと。
レバレッジ:証拠金の数倍~数十倍の取引ができるようにした仕組みのこと。

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